私は、関わる選手たちによくこんなことを言います。

「うまいだけじゃ勝てないよ。」

すると、選手や指導者の皆さんから

「技術よりも大切なものはないですよね？」

と言われたりします。

そういう選手やチームは、伸びないことが多いです。

私が「うまいだけじゃ勝てないよ」

という言葉の本当の意味は、

「技術は、勝つための要素のひとつでしかない。」

ということです。

その選手が、チーム競技であれば

組織力も勝利の為に重要な要素になるでしょうし、

ここぞの場面で揺るがない精神力もまた

勝利の為に必要不可欠な要素となるでしょう。

また、精神力と似ていますが、

勝利の女神から愛されるだけの人間力も

勝利に不可欠な要素だと私は考えています。

それらの一つ一つが勝利を手にする可能性を

積み上げていくために

なくてはならない要素なのだと思います。

 

では、なぜ私が

「うまいだけじゃ勝てない」という言い方をするのか？

技術だけを信じてやってきた選手がいたとします。

その選手が、自分よりも周りの評価の高い選手と

試合をする場合、（要は、自分よりもうまい選手と試合する場合）

何を信じて試合に臨めばいいのでしょうか？

技術だけを信じてやってくると

その技術で勝てないとわかった瞬間に

その選手の試合に対するモチベーションは

著しく低下します。

試合をする前に、勝負は決してしまうのです。

 

では、私から質問します。

もしも、技術が全てなのなら、

当時FIFAランキング50位だったサッカー日本代表が

ロシアW杯で、世界のベスト16に残るということは

あってはならないのではないでしょうか？

ラグビー日本代表が、日本のW杯でランキング2位の

アイルランドに勝てるはずがないですよね？

過去のサッカーW杯にて、

韓国代表と北朝鮮代表がイタリア代表に

勝っているという事実をご存知でしょうか？

これらは、全て実際に起こっている事実です。

歴史を紐解いてみても、

数千の織田信長軍が4万超の今川義元軍を撃破した

桶狭間の闘いや、

40万の大軍を率いた袁紹本初軍を

半数の曹操孟徳軍が撃破した官渡の闘いなど、

実力だけが全てではないと歴史も教えてくれてるのです。

私は関わる選手たちに試合の前にはそんな話もします。

全ては、私と関わった選手たちが

これまでに苦労して積み上げてきた全てを

試合に出し切れるように行うことです。

私と関わった選手たちは、

自分たちよりも格上の相手と戦うときに

力を発揮してくれます。

 

うまい方が有利なのは、当たり前です。

高い技術をもった選手たちにこそ、

「うまいだけじゃ勝てない」

ということを教えていかなければならないのだと

私は思うのです。

 

技術は、勝利の可能性を高めるための

重要な要素ではあるが、

その全てではない。

それが私が選手たちに伝えたいことの真意なのです。

https://daiwasekkotsuin.com/cat385/post_46.html私が言う「うまいだけじゃ勝てない！」の本当の意味